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更年期の不正出血のみわけかたは難しい!ポイントは?

更年期にさしかかり生理周期が乱れている女性 更年期にさしかかり生理周期が乱れている女性

「もしかしたら更年期かも…」何だか調子がよくないときに、不安になってしまう女性は多いのではないでしょうか。更年期障害の症状は個人差が大きく、まったく症状を感じない人から、生活に支障が及ぶレベルの人までさまざまです。閉経に向けての準備期間ですから、生理周期や出血量の変化は遅かれ早かれ誰もが経験することになります。

なかには、不正出血がおこることもありますが、そんなときにはどうすればいいのでしょうか。更年期に注意すべきことや、更年期障害の症状を和らげるためにできることについて紹介します。

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更年期におこりがちな生理周期の変化とは?

生理が始まる思春期は、女性ホルモンが急に増えてカラダとココロが不安定に。成熟期をむかえ妊娠・出産を経験する20~30代は、女性ホルモンの分泌が最も多くさまざまなリスクが増える時。閉経を迎える更年期は、女性ホルモンが急に減ってカラダとココロが不安定になり、生理周期も乱れ不正出血がおこりやすくなります。

更年期とは閉経を迎える前後5年間のことをいいます。今の日本人女性の平均は50.5才ですから、一般的に45~55才が更年期にあたります。ただし、個人差が大きく、必ずしもこの年齢のなかにおさまるとは限りません。女性はこの年齢にさしかかると、卵巣機能が低下するためカラダに大きな変化があらわれます。

 

卵巣とは女性にのみに備わっている器官で、妊娠できる年齢になると、脳の指令を受けて卵胞ホルモンと黄体ホルモンとよばれる2種類の女性ホルモンを分泌するようになります。卵胞ホルモンは女性らしいカラダをつくるために欠かせないホルモンといわれています。これらのホルモンの分泌によって、妊娠の準備をしたり、生理がおとずれたりするわけです。

 

更年期になり、卵巣機能が低下するとホルモンの分泌が不安定になり、生理周期も不安定になることも。平均的な生理周期は25~38日。多少の個人差はありますが、更年期が近づくと生理のサイクルが短くなったり、長くなったりします。

 

24日以内の短いサイクルになることを「頻発月経」、39日以上も間があくことを「稀発月経」といいます。更年期は、生理周期だけでなく、生理の出血量にも変化があらわれることが多いです。月によって経血の量が多いときがあれば、少ないときもあるなど一定しません。そのような不安定な時期を経て、1年以上生理がない状態を迎えて閉経となるのです。

 

>ココロとカラダにあらわれる更年期のサインとは?

注意が必要な更年期の不正出血とは?

不正出血に不安を感じている更年期の女性

更年期に入り、卵巣機能が衰え始め、生理周期に多少の変化がおとずれるものの、特に問題なく閉経を迎えることができればいうことはありません。ところが、ときに不正出血があったり、生理の様子がいつもとは異なったりすると、更年期によるものなのか、病気が隠れているのかの判断が難しいものです。

 

そもそも不正出血とは、生理でもないのに性器から出血がある状態をいい、「機能性出血」と「器質性出血」の2つにわけることができます。

機能性出血

機能性出血とはホルモンの分泌に異常がおきて、生理でもないのに出血がおこる状態です。更年期になると卵巣機能が低下するため、ホルモンの分泌が不安定になり、月経異常をおこしやすくなります。しかし、不正出血をホルモンのせいだと決めつけてしまうのは危険。特に、閉経したのに出血をした場合には、必ず検査をすることが大切です。

器質性出血

器質性出血とは、子宮や膣などに疾患があり、それが原因で出血を起こしている状態です。なかには深刻な病気も含まれているので、早急に治療が必要なことも。更年期に生理でもないのに出血があるときに、「閉経間際だから」と放置していると、実は子宮がんだったということもあるので、注意をしなければいけません。

子宮がんに対する知識も大切

更年期にはホルモンの分泌が不安定になることから、不正出血がおきてもおかしくありません。しかし、不正出血の量や色などから、出血の原因や部位を特定することは不可能です。つまり、茶色っぽいおりものが下着につく程度の不正出血でも、鮮やかな赤色の出血で生理用ナプキンが必要な不正出血でも、心配いらないものなのか、治療が必要なものなのかは、検査してみないとわからないのです。

 

子宮の病気で一番注意が必要な病気は子宮がんでしょう。子宮がんには子宮頚がんと子宮体がんの2つがあります。子宮頚がんは子宮の入り口付近にできるがんで、子宮体がんは子宮の奥にできるがんです。

 

とくに子宮体がんは50才を過ぎた更年期の女性に発症しやすく、食生活の欧米化からその数はさらに上昇傾向にあります。初期症状で出血することが多いので、更年期(特に閉経後)に不正出血があったら、まず子宮体がんではないかという疑いをもって受診する意識でいましょう。

 

子宮頚がんも子宮体がんも、初期に見つかれば完治する可能性の高い病気ですから、できるだけ早くに発見することが大切です。

 

>子宮頚がん・子宮体がんの原因と対処法とは

子宮の奥にできる子宮体がんと、子宮の入り口にできる子宮頚がん

不正出血への対策はあるの?

更年期の不正出血について考える女性

不正出血をはじめ、更年期にはさまざまな不快な症状が出やすい時期です。生活習慣を見直すことで、症状が和らいだり、悪化を防いだりすることができるので、次に紹介する対策方法を参考にしてください。

睡眠をしっかりとる

睡眠不足は症状を悪化させる恐れがあります。夜間はしっかり眠ることが大事です。そのためには、日中に適度な運動を心がけ、夜間にカフェインをとり過ぎないようにしましょう。早寝早起きを心がけて生活のリズムを整え、できるだけ朝日を浴びて体内時計のリズムを整えることは、ホルモンの分泌を促すことにもつながります。

大豆製品を摂取する

豆腐、納豆、きな粉、豆乳などの大豆製品には、卵胞ホルモンに似た働きをするイソフラボンが含まれています。バランスのとれた食事をしながら、大豆製品を積極的に摂ることで、症状が和らぐ可能性があります。

血行を良くする

血行をよくするには適度な運動を心がけることです。運動はカラダだけでなく、ココロにも良い影響を与えることがわかっています。だからといって、改めて何かスポーツを始める必要はありません。散歩を兼ねてウォーキングをする、サイクリングをする、ハイキングをするくらいで十分です。

 

また、「三陰交(さんいんこう)」とよばれるツボは、生理不順や生理痛に効くといわれていて、軽く押すと足の血行がよくなります。内くるぶしの一番高いところに小指をあてて、そこから膝に向かって、指4本分、人差し指があたっているところが三陰交です。

ストレスをためない

更年期は自分自身のカラダが不安定になることに加えて、子供の就職や親の介護など家族の問題ものしかかる時期です。読書や音楽鑑賞、映画鑑賞、ショッピング、自分の好きなことをする時間をつくりストレス解消を心がけましょう。

更年期は閉経後の不正出血に注意しましょう

更年期は卵巣機能が衰え始めることからホルモンの分泌が不安定になります。生理周期も閉経に向けて、頻発月経になったり、稀発月経になったりすることがあります。経血量も多かったり、少なかったり、ときには不正出血がおこることも。だからといって、不正出血があったときに、更年期によるものだと自己判断してはいけません。不正出血の量や色で出血の原因や場所を推定することはできないのです。

 

まずは、婦人科で不正出血の原因をつきとめることが大切です。子宮体がんは閉経前後に発症率が高まるといわれています。閉経前後に不正出血があるときには必ず受診しましょう。

 

>子宮頚がん・子宮体がんの原因と対処法

不正出血があり病院で検査を受ける更年期女性

【記事監修医】
西山紘子先生
社会福祉法人 恩賜財団済生会支部東京都済生会
東京都済生会中央病院/産婦人科医

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