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女性ホルモンとは? その働きと分泌促進方法を解説

女性ホルモンとは? その働きと分泌促進方法を解説 女性ホルモンとは? その働きと分泌促進方法を解説

生理(月経)、妊娠、出産はもちろん、女性の美しさや若々しさにかかわる女性ホルモン。生涯でわずかティースプーン1杯分しか分泌されない女性ホルモンは、女性のココロとカラダを大きく左右します。ホルモン分泌を良い状態にするためにも、そのメカニズムを知り、ココロもカラダもバランスのとれた生活を心がけましょう。

女性ホルモン分泌のメカニズム

女性ホルモン分泌のメカニズム

●脳からの指令で分泌される女性ホルモン

女性ホルモンとよばれるのは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類。ひと月の間に一定のリズムをもって卵巣より分泌されています。これらのホルモン分泌をつかさどっているのは大脳で、視床下部―脳下垂体―卵巣というメカニズムが働いています。

下のイラストをみながら、そのメカニズムを確認してみましょう。

1.間脳にある視床下部は、血液中に含まれるホルモンの量をつねにチェックし、必要な時期を見計らって、性腺刺激ホルモン放出ホルモンを分泌します。

2.この指令を受けて、脳下垂体は性腺刺激ホルモンである卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)を分泌し、卵巣にホルモンを分泌するよう命令します。

3.指令を受けた卵巣は、指示通りに卵胞ホルモンや黄体ホルモンを分泌します。

性腺機能とホルモン

性腺機能とホルモン

●それぞれの女性ホルモンの働き

生理のメカニズムにそって、女性ホルモンの働きを説明しましょう。

それぞれの女性ホルモンの働き それぞれの女性ホルモンの働き

  1. 脳下垂体から、性腺刺激ホルモンの卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌されます。
  2. 卵胞刺激ホルモン(FSH)が卵巣に届くと、卵巣のなかにある原始卵胞を刺激し、そのうちのひとつが成長を始めます。
  3. 発育した卵胞から、卵胞ホルモンが分泌され、これが子宮内膜に働きかけて徐々に内膜を厚くしていきます。
  4. 卵胞ホルモンの分泌量がピークに達すると、脳下垂体から黄体化ホルモン(LH)が分泌されます。
  5. 黄体化ホルモン(LH)が卵巣に届くと、成熟した卵胞は刺激され、中の卵子が飛び出します。これが排卵です。
  6. 排卵後、卵子が出ていった卵胞は黄体というものに変化し、黄体ホルモンを多量に分泌し始めます。このとき、卵胞ホルモンも少量ですが分泌されます。
  7. 黄体ホルモンは、子宮内膜に働きかけ、受精卵(→「妊娠・出産」の項で紹介)がいつでも着床できるよう、準備をします。
  8. 受精が成立しないと、黄体ホルモンと卵胞ホルモンの量は激減し、子宮内膜もはがれ、経血となってカラダの外に出ていきます。これが生理です。

ホルモンの分泌バランスを整えましょう

ホルモンの分泌バランスを整えましょう

●女性ホルモンが乱れるとはどういうこと?

よく「ホルモンバランスが乱れている」といいますが、これは女性ホルモンが順調に分泌されていない状態を指します。ただし、視床下部、脳下垂体、卵巣というホルモン分泌にかかわる器官のうち、どこの働きがうまくいってないのかは実際に調べてみないとわかりません。各器官のホルモンの分泌状態は、血液検査で血中に含まれるホルモン量を測ればわかります。その結果、どのホルモンがどのくらい減っているか、あるいは増えているかをみれば、どこの器官がトラブルをおこしているのかがわかるのです。

●ホルモンが乱れるとカラダ中に悪影響が

女性ホルモンが乱れるとおこりやすいのが、生理不順(月経不順)や無月経です。反対に、生理不順や無月経が続くときは、ホルモン分泌の調子が悪くなっている可能性が高いといえます。また、自律神経のバランスが乱れて、カラダ中に影響が出ることがあります。そうなると頭痛やめまい、のぼせや冷え、イライラなどのトラブルも。これは間脳にある視床下部が、自律神経の中枢もかねているからです。つらいときは婦人科に相談してくださいね。

●規則正しい生活でホルモン状態をベストに保ちましょう

視床下部はホルモンの分泌をコントロールしますがストレスに弱く、強いストレスを感じると、ホルモン分泌が乱れて不調の原因になります。反対に、好きな音楽を聴くなど心地よい刺激を受けていると、ホルモンのバランスが整って、カラダも元気になります。またホルモンは自律神経のバランスにも左右されるので、規則正しい生活を送ることも大切です。

【記事監修医】

西山紘子先生
社会福祉法人 恩賜財団済生会支部東京都済生会
東京都済生会中央病院/産婦人科医

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