わたしの経血量(生理出血量)って普通なの?
●みんなに多い「経血の悩み」
・量が多い
* 2日目の夜の量がすごく多いので、目覚ましをかけ夜中に起きてナプキンを取り替えないと、夜用でも朝まで持ちません。(ろんろん・34才)
* 年齢を重ねるごとに1回あたりの量が多くなりこまってます。多い日用を使っても、1時間おきにトイレに行かなくてはならなくて仕事に支障も……。(warp0320・30才)
・量が少ない
* なんだか、血液というよりは、よごれ程度のものしか出なくて終わってしまいます。(あるるん・?才)
・かたまりが出る
* 生理が始まって、2~3日目の経血量が多く、血液のかたまりのようなものが出ます。痛みはないのですが。(ゆたぽん・22才)
・経血の色
* 10日とか、ダラダラ茶色い経血が続いていたことも!(natu・20才)
・毎回量が変わる
* 月によって多かったり少なく感じたりします。(みーみー・33才)
●経血量は個人や状況で大きく違うもの。毎回多少の変化があるのは普通のこと
自分の経血量が多いか少ないか、気になりますよね。月によって期間が長引いたり、逆に短かったり。日によって経血量にも差があるけど、人と比べたことがないから「自分だけかも」と不安になるのでしょう。ちなみに正常とされる生理の日数は3~7日程度。1回の経血量は20~140mlといわれています。この数値からわかるように、経血量はとても個人差があるもの。そのときのホルモンの状態によっても大きく異なるから、あまり神経質にならないように。ただ1時間もナプキンがもたないほど経血量が増えたり、逆にまったくナプキンを替えなくていいほど少なかったりする場合は、何かのサインかもしれません。
●経血量は個人差があり、月によっても違います。日常生活に支障があるほど多かったら注意が必要
経血量は個人差があるもの。ホルモンの状態でも変わるので、同じ人でも多い月があったり、少ない月があったりします。一般的には、生理の2~3日目が多く、それから徐々に減っていきますが、これも個人差があるので気にしなくて大丈夫。でも寝るとき夜用のナプキンを重ねても下着やシーツまでよごしてしまう、あるいは昼間、ナプキンをあてても1時間もたたずに経血であふれてしまうような状態が続くのなら「過多月経」です。これは子宮内膜が通常よりも厚い、あるいは子宮そのものが大きくなって子宮内膜の量が増えている疑いも。年齢と共に経血量が増える場合は、子宮筋腫、子宮内膜症などの病気の可能性も考えられます。
かたまりが出る
●経血にレバーみたいなかたまりが出る…。これは健康な女性に多い症状です
経血は、不要になった子宮内膜がはがれ落ち、血液と共に排出されたものです。体内での経血にはかたまりがありますが、子宮内膜にある「酵素」の働きによって液体の状態で排出されるため、通常はかたまりになって出ることはありません。ところが、たまたまはがれ落ちた子宮内膜が多いと酵素の処理が追いつかず、かたまったまま出てくることがあります。このかたまりがまるでレバーみたいに見えます。
これは、子宮内膜を成長させる女性ホルモンの分泌量が多いことがおもな原因。20代後半や30代の健康な女性にはめずらしいことではありません。
ただ、あまりひんぱんにかたまりが出る場合は、子宮筋腫など病気が隠れているかもしれません。
経血量が多いときのケア
●毎月の生理で血液が失われるもの。特に経血が多いと感じる人は貧血に注意して!
経血量が多いということは、それだけ体内の血液が外に出されているということ。そのぶん貧血になりやすいから注意して。貧血になると、カラダがだるく疲れやすい、顔色がすぐれない、耳鳴り、動悸(どうき)や息切れ、めまい、立ちくらみなどの症状が見られます。日ごろから、鉄分を多く含むほうれん草や小松菜、レバーを積極的にとりましょう。あまりに経血量が多い場合は婦人科へ。低用量ピルを服用することで生理を軽くする、止血剤を使うなどの治療もできます。
量が多いときに気をつけたい病気
●ナプキンが1時間ももたない! 夜用でも間に合わない人は「過多月経」の可能性が。一度婦人科を受診してみて
経血量が多いことを「過多月経」といいます。10代の過多月経は、ホルモンの異常分泌でおきるので、貧血さえ気をつければ、特に心配はありません。ところが20代、30代と年齢を重ねるごとに経血量が増えてきたなら、子宮筋腫や子宮腺筋症などの病気が隠れている可能性も。子宮筋腫は子宮に良性のこぶのようなものができる病気。子宮腺筋症は子宮筋層(子宮を形成する、筋肉でできた外側にある層)に子宮内膜と同じような組織が増えていくものです。
どちらも進行すると、生理のたびに日常生活を送るのが困難になるばかりか、排尿・排便障害、腹痛、不妊症などを引きおこすことも。経血が急に増えた、だんだん量が増えたなど今までと違う症状を感じたときは、一度婦人科を受診することをおすすめします。
経血量が少ない
●量が極端に少ない人は、卵巣の働きが悪くなっているかも。まずは規則正しい生活を
ナプキンを替えなくてもいいほど量が少ない人は、ホルモン分泌が減り、卵巣の働きが悪くなっていることも。こうした卵巣機能低下のおもな原因はストレスです。規則正しい生活と栄養バランスのとれた食事、じゅうぶんな睡眠や休息がストレスに負けないカラダをつくります。なるべくストレスをためない生活を心がけて。気づかないうちに無排卵になっている可能性もあるので、「生理が楽になっていいや」なんて思わないこと。無排卵になっているかは経血量だけでは判断しにくいので、できれば1~2周期の基礎体温をつけてみて。ホルモン状態がわかり、婦人科受診の際に役立ちます。
ただ、もともと経血量の少ない人や、ピルを服用している人には、このような心配はほとんどありません。
色の違い
●経血は朱色や茶色っぽいことも。多少の色の変化は気にしないで!
経血の色が薄く朱色になっている場合は、貧血の可能性があります。これは血液の赤色のもととなるヘモグロビンが足りていないから。
また、経血が酸化すると黒っぽく見えます。これは経血が膣のなかにしばらくたまり、スムーズに体外に排出されずに血液が酸化したことでおこります。また、おりものとまざると茶色っぽく見えることもあります。
経血が途中で止まる
●生理中に経血が止まることも。これは子宮の構造からよく見られることだから大丈夫です
生理中に一度、経血が止まってしまい、再び出てくるという人がいます。これは子宮後屈(子宮がうしろに傾いている)の人によく見られる症状です。また、子宮の位置が正常でも、子宮の奥や膣にたまっていた経血が、生理の後半になって出てくることもあります。2回生理が始まったのではありません。
【記事監修医】
西山紘子先生
社会福祉法人 恩賜財団済生会支部東京都済生会
東京都済生会中央病院/産婦人科医