バラバラになりがちな生理周期
生理周期がバラバラでも、長期間のデータを集めれば自分の生理周期を予測することは可能です。ただし、生理周期が安定している場合と比較すると、正確に予測することは困難である場合が多くなります。生理周期が予測できないと、旅行やスポーツなどのイベントを楽しめなくなってしまうことも多いです。
もしバラバラな生理周期をコントロールしたいのであれば、まずは婦人科で相談してみましょう。生理不順は、精神的なストレスや不規則な生活習慣による場合も多いですが、子宮や卵巣に何らかの異常が起こっている可能性もあるため、できるだけ早い段階で病院で受診することが大切です。
診察を受ける際は、事前に基礎体温表を付けておき、どのくらい周期が乱れているのか、経血量はどのくらいか、不調はないかといったことを医師にしっかり説明するようにしましょう。そうすることで、バラバラの生理周期の原因を発見しやすくなり、適切な治療も受けやすくなります。生理を不安なく乗り切るためにも、自分のカラダの状態をきちんと把握するようにしましょう。
生理周期がバラバラになるのはどうして?
生理周期には個人差があるものの、通常25〜38日周期の安定したリズムで毎月繰り返されます。しかし、生理周期は体調や精神状態に左右されやすく、原因がなくても数日のズレが生じることは少なくありません。そのため、多少のズレなら気にする必要はありませんが、もし生理開始予定日から1週間以上すぎてしまった場合は「生理が遅れている」と考えましょう。
ただ、生理が始まったばかりでまだ周期が安定していない場合は、年齢とともに安定していくケースが多いので、そこまで心配する必要はありません。
生理周期がバラバラになってしまう状態は、「不整周期月経」と呼ばれています。不整周期月経が起こるのは、女性ホルモンが正常に分泌されなくなっているためです。女性ホルモンが乱れる原因はさまざまあり、代表的なものに精神的な強いストレス・過剰なダイエット・運動不足・睡眠不足・偏った食事などの生活習慣の乱れがあげられます。
また、卵巣や子宮になんらかのトラブルが起こっていることが原因で、不整周期月経になっている場合もあります。不整周期月経の状態でも毎回排卵が起きていれば、そこまで心配はいりませんが、排卵が起きていない場合は注意が必要です。
ホルモンバランスの乱れによる無排卵を放置してしまうと、不妊や生活習慣病のリスクが高まるほか、のぼせや頭痛といった更年期のような症状に悩まされることも。無排卵状態が続くほど正常な状態に戻すことが難しくなると言われていますので、もし不安に感じる症状がある場合は早めに婦人科で相談するようにしましょう。
生理周期がバラバラの場合の計算方法とは?
生理周期は、生理が始まった日を1日目として次の生理が始まるまでの日数を数えます。生理周期が安定している状態であれば、およそ3ヵ月分のデータから平均値を割り出して自分の生理周期を把握しましょう。しかし、生理周期がバラバラの場合は、少なくとも5ヵ月分のデータを記録して、平均値を出したり傾向を調べたりして自分の生理周期を割り出す必要があります。ただ、このように長期間のデータを用意しても生理周期が安定している状態と比べると、参考になる部分は少なくなると言われています。
生理周期の記録は手帳やカレンダーに直接記録しても良いですし、記録が面倒であれば生理日管理アプリを利用するのも良い方法です。生理の始まった日と終わった日を記録するだけで生理周期を計算してくれますし、次回の生理予定日もわかるようになります。また、生理のときの体調や経血量なども合わせて記録できますので、後から見直して自分の健康状態を把握できるのも大きなメリットです。
生理周期がおかしいかも!病院で検査をしましょう
ひとことで生理不順といっても、周期が短い「頻発月経」や、周期が長い「稀発月経」とさまざまな種類があります。生理周期が24日以下になる頻発月経は、ストレスによるホルモンの乱れや卵巣の機能低下により生じます。
また、頻発月経の原因が黄体ホルモン分泌不足による黄体機能不全の場合、不妊や流産のリスクが高まる可能性もあるため、早めに婦人科でホルモン分泌状態の検査を受けるようにしましょう。
生理周期が39日以上になる稀発月経の原因は、主に卵巣の働きが不十分になってホルモン分泌がスムーズに行われていないことです。排卵がきちんと起こっていれば妊娠や出産に問題はありませんが、無排卵になっている場合は不妊のリスクが高まります。1〜2ヵ月間以上稀発月経の状態が続くようであれば、婦人科で血液検査を受けてホルモンバランスの状態を調べるようにしましょう。
生理周期のバラつきだけではなく、経血量や貧血などの悩みがある場合は早めに婦人科で相談を。経血量が極端に多い場合は、子宮筋腫や子宮がんの可能性がありますし、経血量が少ない場合は、ホルモン分泌量が少なくホルモン剤による治療が必要な場合もあります。
婦人科で生理不順の相談をする場合は、基礎体温表を持っていくようにしましょう。医師は基礎体温の変化から、どの時期にホルモン分泌の異常が起こっているのか推測できます。また、普段から基礎体温表をつけておけば、自分の異常をいち早く把握できるという大きなメリットもあります。
【記事監修医】
西山紘子先生
社会福祉法人 恩賜財団済生会支部東京都済生会
東京都済生会中央病院/産婦人科医