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産後の「悪露(おろ)」や「産褥体操」について知りたい!

産後の「悪露(おろ)」や「産褥体操」について知りたい! 産後の「悪露(おろ)」や「産褥体操」について知りたい!

産後の女性のカラダには生理(月経)の経血量や周期が変わるなど、さまざまな変化がおこります。「悪露(おろ)」の変化を産後の子宮の回復の目安にしながら、カラダが回復するまでは「産褥体操」を取り入れて清潔と安静を心がけた生活を送りましょう。

産後のカラダの変化

●「悪露(おろ)」って何?

産後には、悪露[おろ]とよばれるお産のあとの血が混ざったおりものが出ます。これは胎盤がはがれたところや、卵膜がはがれて子宮にできた傷からの出血、子宮にたまっていた血液と分泌物や粘液が混ざったものです。日にちがたつにつれ色や量などが変化していき、これが産後の子宮回復の目安になります。

●悪露はどう変化していくの?

個人差もありますが、おおまかな目安は以下のとおりです。

◎ 0日~3日目

色:赤色

暗赤色で血液が主。甘いような独特のにおいがあります。

量:多量

◎ 4日目~8日目

色:褐色

ヘモグロビンが変色し、肉汁のような色に。白血球が混ざっています。

量:中程度

◎ 9日目~14日目

色:黄色

子宮内の剥離した上皮が混ざることもあります。

量:少量

◎ 15日目~28日目

色:白色

透明な分泌液が主になってきて、やがて消失します。

量:ごく少量

●悪露の対処は?塊が出てきたりしたとき、どうすればいいの?

悪露の量によって産褥パッドのサイズを選びます。新生児おむつより大きいサイズ〜ナプキンサイズがあります。産後1~2ヵ月でふつうのおりものに変わっていくことがほとんどです。また菌の感染を防ぐため、トイレのあとは必ず、前から後ろへ消毒綿でふくようにしてください。

●子宮はいつごろ、回復するの?

子宮の回復 子宮の回復

お産直前までは、胃のあたりまで伸びていた子宮も、お産のあとはおへその下まで小さくなります。その後、徐々に縮んでいって、約1ヵ月半くらいで妊娠前の大きさにもどっていきます。

お産のときの会陰切開を縫合した傷も、退院する産後1週間のころには傷口もくっつき、1ヵ月後にはたいていきれいに治っています。

●産後の生理は、いつ頃から始まる?

産後にいつから生理が始まるかは、かなり個人差があります。1ヵ月後に始まる人もいれば、1~2年止まったままの人もいます。これには、赤ちゃんに母乳をあげているかどうかが大きく関係しています。一般的には、産後4~5ヵ月前後で生理が再開する人が多いと言われていますが、あくまでも参考に。

母乳をあげているほうが、生理の再開は遅い傾向にあるようです。これは授乳中にプロラクチンという乳汁分泌ホルモンがたくさん出ており、このホルモンに排卵を抑制する作用があるため、赤ちゃんに母乳をあげているあいだは排卵がおこりにくく、生理もなかなか再開しないというわけです。

ただし、これも個人差が大きく、母乳をあげているのに早くきたという場合もあるので一概にはいえません。生理がきていなくても排卵している場合もあるので、避妊については生理がきていなくても気をつけておいたほうがいいでしょう。

●生理と悪露の見分け方は?

一般的に、産後1ヵ月以内の出血は悪露、2ヵ月目に入ってからの出血は、生理の可能性が高いといえます。1週間ほど鮮血が続くようなら、さらに生理の可能性が高いでしょう。

また最初の頃の悪露は血の量が多いため、鉄のような生臭いにおいがしますが、少しずつ色もにおいもなくなっていきます。でも生理による出血であれば、量は減っても、においに特に変化はありません。また下腹部の痛みも、生理の特徴のひとつ。

つまり

・鮮血が1週間ほど続く

・においに変化がない

・下腹部痛がある

の3点が、生理であるポイントといえます。

ただし悪露でも下腹部痛の症状が出ることがあり、その痛みが強くなっていくようなら、子宮にトラブルがおこっている可能性も考えられます。医師に診てもらうようにしましょう。

産後の過ごしかた

産後の過ごしかた

●産後は、どんなふうに過ごすのがいいの?

産後のお母さんはマタニティーブルーといって、急激なホルモンの変化と育児に対する不安から、一時的に情緒不安定になることがあります。カラダも出産によってダメージを受けているので、無理は禁物、疲れ過ぎないように注意したい時期です。まだデリケートゾーンのうっ血が残っていて、感染症にもかかりやすくなっているので、清潔と安静がなにより大切です。少なくとも、1ヵ月健診までは十分な休養をとるよう心掛けてください。

●産後のセックスはいつからOK?

セックスは、産後の1ヵ月健診で医師からOKをもらってから開始するようにしてください。まだ生理がおこらないからと安心して避妊しないでいると、いつ排卵がおきて妊娠するかわかりません。すぐに次の赤ちゃんを産みたいのでなければ、コンドームやIUD(子宮内避妊器具)などを使って避妊することを忘れないようにしましょうね。

●産褥[さんじょく]体操って何?

産後に体形がくずれてしまってと悩む声は多いですが、妊娠中にゆるんでしまった腹筋や骨盤底筋を鍛える産褥体操がとても効果的です。産後すぐ始められるものから、わりとハードなものまであるので、カラダの回復に合わせて少しずつ生活に取り入れてみましょう。

●産褥体操は、尿もれ改善にも役立つ?

出産により、多くの人が一時的に尿もれに悩まされています。しかし、産後しばらくすると、ほとんどの人がもとにもどって治りますので、とくに気にする必要はないでしょう。

産後の尿もれは、分娩時に骨盤底に負担がかかることが大きな要因です。骨盤底の筋肉を鍛えることで、尿もれは改善されることも多いので、その意味でも産褥体操は効果的。ただし会陰の痛みが治まる時期を目安に始めましょう。

また尿もれがなかなか治らず、気になるときは、泌尿器科に相談しましょう。

●産褥体操はほかにどんないいことがある?

産褥体操はほかにどんないいことがある?

産褥体操は、分娩・出産で伸びた筋肉の回復や疲労の回復を早める運動です。ほかにも血行を良くする、子宮の回復を促す、おっぱいが出るようになるなどいいことずくめ。無理せず軽い運動から始めてて、だんだん回数をふやしながら規則正しくつづけましょう。自分の好きな音楽を聞きながら行うのもいいですね。

●スタート1日目…肩回し、首回しの運動+深い深呼吸

◎肩回し、首回しの運動

上半身のこり・疲れを解消しましょう。

肩回し、首回しの運動_1

いすか床にすわって。指先を肩につけ、ひじを内側・外側に回します。

肩回し、首回しの運動_2

1:肩の力を抜いて、首を前に倒します。

2:ゆっくりと後ろに首を倒れるところまで倒します。

3:首をゆっくり回します。左右それぞれ。

◎深い深呼吸

体中がまだこわばっていませんか? お産の疲れをとる運動でリラックス。産後の回復が早まります。

深い深呼吸_1

1:ゆっくりと鼻から息を十分に吸います。

深い深呼吸_2

2:口から大きく、フーッとゆっくり吐きます。

◎足の運動1

足の運動_1

1:両足をそろえてつま先をピンと伸ばします。

足の運動_2

2:足首を体のほうにグッと曲げます。

足の運動_3

3:左足のつま先をピンと伸ばし、右を曲げて。

足の運動_4

4:左右交互に同じ事を繰り返します。

◎足の運動2

足の運動_5

1:足の裏側を向かい合わせ、つま先を内側に。

足の運動_6

2:そのまま反対側に反らせます。

●2日目…乳筋、授乳のための運動

◎胸筋、授乳のための運動

授乳をスムーズに行うため、胸筋を強化する運動をしましょう。

胸筋、授乳のための運動_1

1:握りこぶしを肩に当て、ひじを脇腹に押しつけます。

胸筋、授乳のための運動_2

2:ひじを乳房の前で合わせ、振り子のように。

胸筋、授乳のための運動_3

3:ひじを内から外へ回し、最初の姿勢に戻って。

◎腹筋、骨盤底筋の引き締め

妊娠・出産でゆるんだ筋肉を早いうちに元に戻すための運動です。

腹筋、骨盤底筋の引き締め_1

1:ひざを曲げてウエストの下に両手を入れます。

腹筋、骨盤底筋の引き締め_2

2:息を吐きながら背中を下へ押しつけます。

腹筋、骨盤底筋の引き締め_3

3:足を組み上の足で下の足を軽く叩きます。

●3日目…足を上げ、骨盤底筋、腹筋の強化

ここまで順調にきたらシェイプアップにもつながるように、少しずつハードな体操にしていきましょう。

骨盤底筋、腹筋の強化_1

1:ひざを曲げてウエストの下に両手を入れます。

骨盤底筋、腹筋の強化_2

2:まず右脚をひざが直角になるように上げて。

骨盤底筋、腹筋の強化_3

3:ピンと上に伸ばし一呼吸おいてからおろします。左脚も同様に。

【記事監修医】

西山紘子先生
社会福祉法人 恩賜財団済生会支部東京都済生会
東京都済生会中央病院/産婦人科医

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