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不正出血が一週間続く…何が原因?

ダラダラと続く不正出血に悩む女性 ダラダラと続く不正出血に悩む女性

生理中でもないのに出血がおこることを、不正出血といいます。不正出血の原因は、特に心配する必要のないホルモンバランスの乱れが原因の場合もあれば、女性特有の疾患による不正出血もあり、病院で治療を受けなければならないこともあります。ここでは、不正出血が一週間以上続くときに考えられる原因や対処法、病院で診察を受ける際の判断基準などを紹介します。

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不正出血で病院へ行く目安はどのくらい?

不正出血の原因を特定するためには医師の診察が必要

不正出血の量は、下着が軽く色づく程度の量のこともあれば、生理と同じくらい出血することもあり、個人差があります。不正出血の原因はさまざまで、女性特有の疾患が原因のこともありますし、特に心配のいらない場合もあります。

 

不正出血で検査をしなければならないのは、まず閉経後に出血があったケース。生理をおえた状態での出血は、何らかの病気により出血している可能性が高いと考えましょう。閉経前の不正出血は、病気よりもホルモンバランスの乱れなどが原因で、一時的なものと考えられています。定期的に婦人科健診を受けていて異常がなくても、不正出血が2~3回続くようであれば早めに受診をしましょう。

ダラダラ続く不正出血は排卵期のせい?

ホルモンバランスの急激な変化がおこる排卵期は出血がおこりやすい。基礎体温が低温期から高温期に移りかわる時期であれば、排卵による出血である可能性が高い。

不正出血の原因として多いものが、排卵期の出血です。女性のカラダは、生理後に増殖期(卵胞期)に入ると卵胞ホルモンの分泌量が増えて、子宮内膜が厚くなり体温が下がって低温期になります。排卵後は、卵胞ホルモンの分泌量が減るかわりに黄体ホルモンの分泌量が増えるため、ホルモンバランスの急激な変化がみられます。

 

このように排卵直後に一時的にホルモンバランスが崩れることで、子宮頚管からの分泌液に少量の血液が混じってしまう場合があるのです。また、排卵時に卵巣を傷つけて出血を生じることもあります。

 

ホルモンバランスの変化による出血は、「中間期出血」と呼ばれています。中間期出血は一時的なもので、排卵日を挟んで2~5日であることがほとんど。不正出血を中間期出血と判断するためには、まず基礎体温を記録しておくことが大切です。毎日基礎体温を記録し、低温期と高温期にわかれていれば排卵がおこなわれている証拠です。28日周期の場合であれば、生理開始から一週間半頃の出血はちょうど排卵期にあたりますからあまり気にする必要はありませんが、自己判断せずに病院できちんと診察を受けて原因を確かめてください。

 

排卵期の出血は、生理前から少しずつ出血して本格的な生理がはじまる人もいれば、時々おこる人もいるなど、かなり個人差があります。他の人と比較して様子が違うからと心配しなくても大丈夫。ただ、出血量が生理のときよりも多かったり、一週間以上ダラダラと出血が続いたりする場合は、婦人科で検査を受けましょう。

不正出血が長く続く原因①ポリープの可能性

不正出血の原因のひとつに、ポリープが子宮内や出口にできている可能性があげられます。ポリープは30〜50代の女性にできやすいことがわかっていますが、具体的な原因はまだ判明していません。

 

ポリープができている場合、不正出血のほかにおりもの量が増えて茶褐色に変化したり、スポーツ後や排便時に少量の出血がみられたりします。ポリープの多くは良性の腫瘍で、子宮の出口にできるタイプのものであれば手術で簡単に切除できます。一方、子宮内にできるタイプは切除する手術が必要となるため、まずは子宮鏡の検査をおこなう必要があります。

 

子宮体がんは子宮内膜の細胞ががん化したものです。子宮体がんは初期症状でも9割の人に不正出血がみられるのが特徴で、おりもの量が増えたり茶褐色に変化したりするなどの症状があらわれます。子宮がんの場合は、早期発見と早期治療が何よりも大切です。年齢に関係なく頻繁に出血を繰り返す場合は、早めに子宮体がん検査を受けるようにしましょう。

ポリープが原因で不正出血がおきている女性

不正出血が長く続く原因②子宮筋腫の可能性

子宮筋腫が原因で不正出血がおきている女性

子宮筋腫は、30代以降に多く、4~5人に1人の割合でみられる決して珍しくない疾患です。子宮筋腫は複数できることが多く、その数や大きさにより症状も異なります。

 

子宮の内側にできるものは「粘膜下筋腫」と呼ばれ、小さくても症状が強く、不正出血や不妊症、流早産の原因となります。

子宮の筋肉の中にできる「筋層内筋腫」は、小さいうちは症状がないものの、大きくなるにつれ不正出血や過多月経があらわれ、貧血の原因となるものです。

子宮の外側にできるものは「漿膜化筋腫[しょうまくかきんしゅ]」と呼ばれ、大きくなるまでほぼ症状はありませんが、まれにねじれて激しい痛みをともなうことがあります。

 

子宮筋腫は、婦人科診察と超音波検査、MRI検査により診断されます。治療が必要な場合は、薬物療法と手術療法がおこなわれます。ただ、今のところ子宮筋腫を根本的に治す治療薬は存在せず、子宮筋腫を小さくしたり出血を軽くしたりする薬が主体です。薬物治療では生理を止めるため、治療期間中は女性ホルモンの分泌量が減って更年期のような症状が出たり、骨量が減少したりするリスクもあります。

 

また、薬物治療中に子宮筋腫が小さくなっても、治療を中止してしまうと元の大きさに戻ってしまうというデメリットも。しかし子宮筋腫を放置してしまうと、周辺の臓器に影響して、頻尿、排尿や排便時の痛み、腰痛などを引きおこすこともあります。早めに病院で診察を受け、治療が必要なのかどうかを判断してもらうことが大切です。

 

>子宮筋腫についてもっと詳しくみる

不正出血が続くときには婦人科で相談を

排卵期におこる中間期出血の場合はさほど問題がないといっていいですが、ホルモンバランスの乱れによる機能性出血には治療が必要なものもあります。クリニックでは、症状や状況に応じて総合的に判断され、超音波検査、血液検査、子宮頚部や子宮内膜の細胞診検査などがおこなわれます。不正出血が2~3回続くようなら、婦人科で診察を受けて原因を確かめるようにしましょう。

 

>婦人科検診で気をつけることは?

不正出血が長く続き病院で診察を受ける女性

【記事監修医】

西山紘子先生

社会福祉法人 恩賜財団済生会支部東京都済生会

東京都済生会中央病院/産婦人科医

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