約7割の人が生理中にデリケートゾーンがかぶれることがあるようです
生理用品の品質がよくなっていることもあり、だんだん減少しているように思える外陰部のかぶれですが、季節や体調によっておこったり、生理のたびに肌が弱くてつらい思いをしている人もまだまだいるようです。
~このような対策をしています~
●清潔を保つようにしてシャワーを浴びます。
●できるだけムレないようにこまめにナプキンを変えるなどしてケアしています。
●デリケートゾーン用の軟膏を塗ります。
●生理だからしょうがない・・・と我慢してそのままです。
生理時のかぶれやかゆみの原因は、ふたつあります
●おもな原因は、湿った状態が続くこと
生理中にかぶれてしまう、かゆくなる…。おもな原因はまず“ムレ”です。ナプキンを当てていると、どうしても湿った状態が続きます。その状態で、吸収されずナプキンに残った経血や汗などが肌を刺激するため、かぶれがおきてしまうのです。赤ちゃんのオムツかぶれと似たようなもので、もともと皮膚の弱い人に多くみられます。
●乾燥が原因の場合もあります
もうひとつの原因は、摩擦です。うるおいが不足している場合など、動いたり歩いたりしたとき、ナプキンとの摩擦で乾燥した皮膚がこすれてかぶれてしまうのです。
かぶれてしまったときに、まずすること
●まずは市販薬。治らなければ婦人科を受診して
まずは、かゆみやかぶれのあるところをよくお湯で洗い、乾いたらそっと市販の塗り薬をつけます。市販の治療薬を使っても治らないときには早めに婦人科や皮膚科への受診をおすすめします。
●外出先ではウェットティッシュで
急にかゆみやかぶれがおきたときは、刺激の少ないウェットティッシュや清浄綿で外陰部をやさしくふきとり清潔にしましょう。
●石けんでゴシゴシはNGです
かぶれているときのデリケートゾーンは、お湯で洗い流すのがいちばんです。石けんでゴシゴシ洗うのは、逆に症状を悪化させてしまいます。界面活性剤が含まれるボディソープなどは刺激が強く、炎症などのトラブルの原因になりやすいので注意しましょう。
かぶれ・かゆみ防止で大切なこと
●ナプキン選び
かぶれやかゆみが気になる人は、なめらかな肌触りで刺激性が少ないタイプを選びましょう。
●こまめに交換、清潔がいちばん
生理中はナプキンをこまめにかえ、毎日入浴かシャワーで清潔を心がけましょう。
●もともと皮膚の弱い人やアレルギー体質の人は、皮膚のケアも大事
かぶれやすい人は、デリケートゾーンだけでなくカラダのほかの部分の皮膚も弱かったり、アレルギー体質だったりする人が多いようです。自分に合ったケアをするためにも、一度婦人科や皮膚科で相談してみましょう。
●疲労をためず抵抗力をつけて!
一般的に、カラダの抵抗力が落ちていると、皮膚が弱くなって、かぶれやすくなるものです。まずは疲れをためず、睡眠もしっかりとって、カラダの抵抗力をつける生活が肝心。健やかな生活を心がけて、生理期間も快適に過ごしましょう。
かゆみやかぶれに加えておりものの異常もみられたら
生理時でなくても、かゆみやかぶれはおこります。次のような症状もあるときは、病気の可能性がありますので、婦人科を受診しましょう。
かゆみ・はれ+白くポロポロしたおりものがある
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カンジダ膣炎
膣内~外陰部まで強いかゆみがあります。かきこわしてはれや痛みをおこすことも。夜ベッドに入り温まると、かゆみが増します。
かゆみ・ただれ+濃い黄色や緑っぽいおりもの。細かいアワが混じることも
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トリコモナス膣炎
外陰部がガマンできないほどかゆくなります。排尿時に尿がしみたり、歩くだけですれて痛かったりします。
強いかゆみ+陰毛の根元に灰白色のフケ
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毛ジラミ
陰毛の毛根部に寄生する毛ジラミによるもので、セックス時、プール、寝具などから感染することも。
強いかゆみ+米粒大の赤いポツポツ
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かいせん
ヒゼンダニというかいせん虫が寄生し、眠れないほどの強烈なかゆみをおこします。下着や寝具から感染することもあります。
かゆみやかぶれに加えて出血、下腹部痛があったら
子宮頚管ポリープ、子宮筋腫、子宮頸がん、子宮体がん、卵管がん、卵巣がん、腟がんなどの可能性もありますので、婦人科を受診しましょう。
【記事監修医】
西山紘子先生
社会福祉法人 恩賜財団済生会支部東京都済生会
東京都済生会中央病院/産婦人科医