やせ過ぎ、太り過ぎのどちらも要注意。BMI（体重kg÷（身長m）²）が標準値（18.5～24.9）かどうか確認しておきましょう。範囲外の方は、まずは標準値に近づけていきましょう。

電子タバコや加熱式タバコを含めて、タバコは精子の数を減らし、精子に含まれるDNAを傷つけてしまう可能性も…。さらに、副流煙は女性の卵巣機能を低下させ、流産を引きおこすこともあります。妊活を始めたら禁煙をするのがベターです。

また、アルコールを体内で分解するときに発生するアセドアルデヒドは、精液量、精子の運動率、精子濃度などへ影響を与える可能性も。ゼロにする必要はありませんが、排卵日前後に性交渉をするときは、飲酒は避けたいですね。

成人男性が「おたふく風邪」にかかると、睾丸炎や精巣炎を引き起こして不妊になる可能性があります。子どものころにかかっていない場合は、ワクチン接種をしておきましょう。

また、妊娠初期の女性が風しんに感染すると、赤ちゃんが目や心臓、耳に障がいを持つ「先天性風疹症候群」になる可能性が上がります。妊娠中の女性は風しんワクチンの接種はできないため、家庭内での感染を防ぐためにも男性も風しんのワクチン接種を済ませておきましょう。お住まいの自治体によっては、助成金や無料接種ができることがあるので、ぜひ調べてみてください。

精子も年齢とともに老化・減少し、妊娠力にも影響します。女性と同様に、男性も35歳は妊娠のしやすさが変わる1つの目安だと覚えておきましょう。

以上のように健康的な生活習慣を取り入れることで、精子の質を向上させ、妊娠に近づくことができます。体型の管理や喫煙・飲酒の習慣を見直してみましょう。

精子は「熱」に弱く、高温になると運動率が低下してしまいます。少し意外かも知れませんが、具体的には次のような習慣が精子に悪影響を及ぼす可能性があります。

精子がつくられるまでには74日ほどかかるため、やめたからといってすぐに精子の質が変わるわけではありません。まずは頻度を減らしてみるなど、少しずつ習慣を見直してみては。

最近は、男性もブライダルチェックを受ける方が増えてきています。検査内容は、精液検査や血液検査といった、いずれも妊活において重要な項目ばかりです。

精液検査は、病院または自宅で精子を取り、精液量や精子濃度、総精子数、精子運動率、正常精子形態率などを調べるもの。血液検査は、感染症や抗体の有無を診るもの。妊娠のしやすさに関係があるB型・C型肝炎ウイルス、梅毒、HIV（エイズ/ヒト免疫不全ウイルス）、風疹、クラミジアなどのリスクが見つかった場合は治療や予防接種などで対応します。

こういった精液検査は産婦人科や不妊治療専門病院に行かないといけないと思われがちですが、実は泌尿器科でも受けることが可能です。ぜひ、ネットなどで近所の泌尿器科を調べてみてください。

精子の状態や妊娠能力を知ることに不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、早めに不調を見つけて治療をすることはとてもポジティブなアクションです。また、妊娠をする側の女性への負担が大きい妊活において、男性が自分のできることに取り組む姿を見せることは、パートナーの安心にも繋がります。

病院に行かずとも、ご自宅で精子の有無を調べられるセルフキットもドラッグストアなどで販売されています。精密な検査を受ける前段階として、まずは1人で調べてみるのも一つの方法です。ぜひ、ご自身の負担にならないことから試してみてくださいね。

※1 Hum Reprod Update 16:65-79,2010