大切な受験日は、コンディションを万全に整えて挑みたいもの。どんな状況でも安心して受験に挑めるよう、「普段からできる準備」「受験直前・当日の対策」を生理の専門家の先生に伺いました。
【監修者情報】
一般社団法人ラブテリ 奈良岡 佑南 博士(医学)
順天堂大学 産婦人科学講座 産婦人科専門医 山田 泰平
日本陸上競技連盟医事委員 薬剤師 砂本 沙織
生理痛や貧血、PMSのせいで、どうしてもイライラしたり集中力が落ちたりしてしまう日もありますよね。だからこそ、できれば生理と大切な受験日は重ならないでほしいものです。
高校3年生の女子生徒にアンケートをとったところ、
- 受験日と生理が重なるかどうか不安(85%)
- 受験日と生理が重なった場合の頭痛や腹痛対策が不安(76%)
- 受験日と生理が重なった場合の集中力低下が不安(74%)
という結果に。多くの受験生が、生理と受験日について多くの不安を感じていることがわかりました。
※ユニ・チャーム「生理・PMSに関する母と娘の意識調査」2024年8月
普段からできる生理対策は?
まずは日常生活で取り入れられる、ココロとカラダそれぞれの不調を少しでも減らすためのヒントをまとめました。
生理前、勉強を邪魔する「イライラ」「集中力低下」などのココロの不調を軽くするにはどうしたらいいですか?
「普段気にならない小さなことにもイラっとしてしまう」「なんだか集中できない」「体がだるい」「たくさん寝たのにまだ眠い……」など、生理の3~10日前は、ココロの不調が起きやすくなると言われています。
これは女性の約8割が経験するともいわれる「PMS(月経前症候群)」の症状です。イライラ、頭痛、落ち込み、肌荒れ、便秘や下痢、むくみ、肩こり、やる気や集中力の低下、ぼーっとするなど、PMSのサインは人によってさまざまです。
PMSは生理周期におけるホルモンバランスの変化、またストレスも影響すると言われています。自分で取り組める、ココロの不調を軽くするコツを学んでいきましょう。
「ココロの不調」を軽くするには
やっかいなPMSですが、実は普段の食事や運動などの生活習慣を見直すことで、少しずつ予防・改善できることがわかっています。
対策1: 休憩時間のおやつをナッツやゆで卵にしてみよう!
勉強していると、ついつい甘い物を食べたくなりますよね。どうせおやつを食べるなら、ドライフルーツやアーモンド小魚、ゆで卵、ヨーグルトなど、PMS改善につながる栄養の含まれたものに置き換えてみるのもいいかもしれないですね。
どれもコンビニで買えるものばかりなので、おやつの選択肢の一つにしてみてくださいね。
対策2: 穏やかな気持ちでいるために、カフェインや砂糖はいつもより控えめに
普段の飲み物はノンカフェインにしつつ、量に気をつけてコーヒーや紅茶も楽しんで。
コーヒー、紅茶などに含まれるカフェイン。眠気覚ましのために!とついつい取りすぎてしまっているかもしれません。カフェインは過剰に摂取するとココロの状態に影響を与えるだけでなく、鉄分がカラダに吸収されるのを邪魔してしまうことも。そのため普段の飲み物は、麦茶やルイボスティー、ハーブティー、デカフェ(ノンカフェインコーヒー)などを中心にするのがオススメです。
それでもやっぱりコーヒーや紅茶が飲みたいときもありますよね。そんなときは、1日にカフェイン300mgを目安にして楽しみましょう。製品によってカフェイン含有量が異なりますので、成分表を見て調整してみてくださいね。
砂糖たっぷりの甘い飲料に要注意。
甘い飲み物は砂糖が多く含まれているケースがあります。そういった甘いものをたくさん飲むと、一時的には気持ちが落ち着くものの、その後は疲労感やイライラしてしまうことも。
とはいえ、やっぱり甘い飲み物も飲みたいですよね。そんなときは、カカオポリフェノールが豊富なココアにしてみては? また、黒糖やはちみつ、生姜などが入った飲み物もカラダを温め、血の巡りを良くしてくれると言われていますよ。果糖ブドウ糖液糖など人工甘味料の入っているものには注意してくださいね。
また、甘いものが飲みたくなるのは、貧血のサインである可能性もあります。日頃から鉄分補充を心がけることが重要です。
対策3: 1日をすっきり過ごすために、朝起きたらカーテンを開けて太陽の光を浴びよう
いい睡眠がとれることは気分の安定に直結します。朝、太陽の光を浴びると、睡眠ホルモンのメラトニンが体の中で作られて入眠がしやすくなったり、睡眠の質が上がったりすると言われています。
また、幸せホルモン・セロトニンも太陽の光を浴びることによって体内で作られるため、日中の気持ちが安定しやすくなりますよ。晴れた日は5〜10分、くもりの日は15〜20分ほどが目安です。
対策4: 生理管理アプリで自分の体調リズムとセルフケアのヒントを知ろう
生理管理アプリで自分の生理周期を把握しておくのもオススメ。生理の記録からカラダの状態がわかると、「今、眠いのはPMSだからだ」というように気づけるようになりますよ。
ホルモンと体調の関係に気づけるアプリ「ソフィBe」
生理管理アプリ「ソフィBe」は、生理日を記録するだけでホルモンの波がグラフでわかるアプリ。体調の記録から、AIがあなたの悩みに合わせたセルフケアのアドバイスをしてくれます。生理日はもちろん、不調になりがちなタイミングなどの自分の体調のリズムや乗り越え方が分かると、学習計画を立てやすくなります。ぜひ、試してみてくださいね。
食事面でのサポート
毎日のごはんにちょっとした1品を
栄養バランスを整えることで、PMSが改善するケースがあります。特にタンパク質やビタミンD、マグネシウム、鉄分はPMSの嫌な症状をやわらげる効果があると言われています。
- タンパク質:卵・肉・魚・大豆製品
- ビタミンD:サーモン、イワシ、シラス、きのこ類
- マグネシウム:アーモンド、くるみなどのナッツ類、緑黄色野菜、玄米
- 鉄分:レバー、赤身肉、カツオやマグロなどの赤身魚
とはいえ、食事は毎日のこと。忙しい中では、おかずを増やすのはとても大変なことですよね。そんなときは、スーパーやコンビニで売っているお惣菜やトッピングを増やしてみてはいかがでしょうか?
デザートがほしいときには、チーズケーキ、ヨーグルト、ドライフルーツなど、少しでもタンパク質が含まれたものを選ぶとよいでしょう。
オススメの手軽なお惣菜
ひじきの炒め煮・大豆の煮物・めかぶ・豆腐・サバ缶・納豆 など
オススメのトッピング
鮭フレーク・桜えび・かつおぶし・のり など
食事は毎日続くからこそ、継続できることが大切です。無理をせず、続けられそうな食材を取り入れてみてくださいね。
少しでも食べやすい朝ごはんメニューを
朝ごはんを食べる頻度が高いほど、月経痛が少ないというデータがあります。食欲がない場合は、ヨーグルトやバナナ、ゆで卵、カップスープなど、食べやすいものを用意し、何も食べないという日を減らしましょう。
貧血対策になる鉄分をとろう
生理前後で失われやすいとされているのが鉄分です。不足することで、ココロやカラダの不調を引き起こすこともあります。次の食材に鉄分を作る成分が含まれているので、調理の際に積極的に取り入れてみてくださいね。
オススメの食材:
ししゃも、高野豆腐、鶏肉系・魚介類や赤身肉、サバ缶、ひじき。手軽なのは卵、納豆、豆腐など
ほかにも、鉄分入りのドリンクを取り入れてみても。ただし、過剰に鉄分を取りすぎると腸内環境を悪化させて便秘や免疫力の低下につながるため、用量・用法はきちんと確認を。
ズキズキする嫌な生理痛を少しでもやわらげる方法はありますか?
生理による痛みがあるとき、ひたすらガマンをしていませんか?普段と変わらず活動できる人もいれば、鎮痛薬を飲まなければ勉強に支障をきたすという人もいるなど、生理痛は個人差が大きいものです。特に思春期は、カラダで作り出される痛み物質が多く、生理痛が起こりやすいと言われています。
生理痛は、カラダが冷えて血管が収縮することで悪化を招くと言われています。痛みがひどい人は、まず食事内容や日々の過ごし方を工夫して、「冷え」対策を意識しましょう。
「体調の悩み」を軽くするには
対策1: 朝ごはんを食べて体温を上げよう!
日本の女性の多くは栄養不足の傾向があります。炎症を抑えるはたらきのあるビタミンDやビタミンB12、特に不足しがちな鉄分やタンパク質などをとるためにも、朝ごはんを食べる習慣をつけましょう。
もし朝ごはんを食べてない場合は、ヨーグルトやバナナ、カップスープなどの食べやすいものから始めましょう。
栄養をプラスするなら、ごはんにシラスや鮭フレークをかける、ツナや卵入りのサンドイッチを選ぶなどをしてみては?取り組みやすく、続けやすいものを探してみてくださいね。
対策2: カラダを冷やさないアイテムや、カラダを温める習慣を取り入れよう
普段から、ゆっくり湯船につかる習慣をつけましょう。オススメは半身浴。38~40度のお湯に20分以上浸かるのが効果的と言われています。半身浴の際は、肩にタオルをかけるなど上半身を冷やさないようにしてくださいね。
また、痛みがひどいときは、カイロなどで下腹部を温めることを心がけましょう。
対策3: 休憩時間には、軽いストレッチやツボ押しをしよう
適度な運動は血のめぐりをよくし、体温を上げてくれます。休憩時間にカラダを動かす習慣をつけてみては? スマホで動画を見ながら、座ったままできるストレッチやヨガなどを、少しやってみてもいいですね。
また、ツボ押しもオススメ。婦人科系のトラブル解消や冷え改善に効果があるとされるツボが「三陰交(さんいんこう)」。足の内くるぶしの一番高くなっているところに小指をあて、真下から指4本分、ちょうど人差し指があたる辺りです。冷えを感じたときはここを親指で「気持ちいい」と感じる程度に押してみては?
人によって生理の感じ方はさまざま。お子さまとあなたの生理痛の症状や痛みの感じ方は違うかもしれません。
自身が生理中に同じような症状が出た経験などを話して「わかるわかる!」と伝えたり、お子さまの思っていることをゆっくり聞いたりしながら、お子さまをサポートしましょう。
とはいえ、きっかけがないとなかなか話しにくいテーマです。そのため、生理用品のCMが流れたタイミングなどをきっかけに、お子さまの反応を見ながら少しずつ話題にしてみてもいいかもしれません。
生活習慣改善面でのサポート
運動
部活の引退後の運動量が減った時期に、痛みがつらくなったようであれば、運動習慣が影響している可能性もあります。例えば、歯磨きやドライヤーで髪を乾かしながらかかとを上げ下げするなどの、ちょっとした「ながら運動」も積み重ねていくと変化が起きます。適度な運動を促してあげてくださいね。
入浴
生理のときも、湯船につかって大丈夫。カラダをしっかり温めるためには、できればシャワーで済ますのではなく湯船につかるのが理想的です。誰がどの時間にお風呂に入るのかをあらかじめ決めておくことでバッティングを防ぎ、スムーズな入浴ができるようにしてはいかがでしょうか?お風呂に入る時間や順番が決まっていると、自然と習慣化しやすくなります。ぜひ、家族で習慣化できるよう取り組んでみてください。
経血量が多い場合のサポート
もし昼間にナプキンをあてても1時間もたたずに経血であふれてしまったり、だんだん量が増えてしまったりなど、今までと違う症状が出ているときは、ホルモンの異常分泌が原因である可能性もあります。まずは、一度婦人科を受診することをオススメします。不調の原因を早めに取り除いておくのも大切なサポートです。
悩みにあった生理用品選びのサポート
生理用品は悩み別にさまざまな製品が販売されています。生理期間を少しでも快適に過ごすために、本人の悩みに耳を傾け、生理用品選びの見直しなどのサポートをしてあげてくださいね。
受験と生理が重なったらどうすればいい?
ベストな体調で本番に挑みたい受験当日。でも、生理が重なってしまった、どうしよう……。そんなときに備えて、受験直前によくある悩みや準備しておきたいことを覚えておきましょう。
試験のようなストレスがかかる場面では、急に生理が来てしまうことも。でも、大丈夫。まずは落ち着いて、試験会場で困らないよう一つずつ対策をしていきましょう。
生理が重なってしまったときの対策
準備1: モレなどの生理トラブルへの備えをしておこう
急に生理がきても焦らないように、生理用品を事前に用意し鞄に入れておきましょう。
特に長時間座りっぱなしの試験中はモレが気になるもの。少しでも不安を減らすために、吸収力に優れた生理用品を用意することを検討しましょう。
濃いスパッツやボトムスを着用しておくと、万が一モレてしまっても目立たず安心です。
準備2: 生理痛予防のためにできるだけ温かい格好で
試験中に生理痛が悪化しないように、下半身を冷やさないことが大切です。制服がスカートの場合は、保温性の高いスパッツやカイロで冷え対策をしっかりとしておきましょう。
準備3: 鎮痛剤をお守りの一つに
普段の生理ではあまり痛みがなくても、受験当日には「お守り」として鎮痛剤をバッグに入れておいてはいかがでしょうか? 思いがけない痛みが起きても、慌てずに対応しやすくなります。
鎮痛剤を使うときは、「痛くなる前の早めに飲む」のがコツです。痛みが悪化してから飲んでも効きづらいため、「お腹が重いな」と感じた時点で早めに飲むほうがいい、と覚えておきましょう。
準備4: トイレの場所&スケジュールはしっかり確認
受験会場がわかったら、トイレの場所の確認を。初めていく会場であれば、少し早めに到着できるように家を出るなど、時間に余裕を持つと安心です。
また、当日は試験時間だけではなく、トイレへ行けそうなタイミングを事前に把握しておきましょう。
普段と異なる環境へのサポート
受験会場が遠方になる場合、宿泊をする場合もあります慣れない環境や食事によって体調が悪化することもありうるので、飲み慣れた常備薬を準備してください。
気持ちが落ち着かない場合のサポート
生理前・生理中はどうしても気持ちが落ち着かなくなることがあります。「それは生理の影響だよ」と伝えるなど、本人がリラックスできる声掛けを意識的にしてあげてくださいね。
オススメのリラックス方法
- 散歩やストレッチなどの軽い運動
- 深呼吸をする
- ガムを噛む
痛みをやわらげる鎮痛剤とピルについて
鎮痛剤について
「痛み止めに頼りたくない」「飲みすぎるとクセになるのでは?」などの理由で鎮痛剤を使うことに不安を感じていませんか?
ドラッグストアに並んでいる市販の鎮痛剤は、毎月の生理のたびに飲んでも、用法用量を守っていれば効かなくなることはありません。
用法・用量を守り、痛みを感じたら早めに服用することを考えましょう。
痛みをガマンしても、いいことは何もありません。むしろ、痛みが気になって受験の集中力が落ちてしまうほうが心配です。ここからは受験に当たって、鎮痛剤を選ぶポイントを紹介します。
鎮痛剤を選ぶポイントをチェック!
ポイント1: 眠くなる成分が入っている鎮痛剤もあるので体調と相談して選ぼう。
よく生理痛に用いられる鎮痛成分は、
- アセトアミノフェン
- イブプロフェン
など。
基本的に、これらの鎮痛成分そのものは眠気を引き起こしません。ただ、市販の鎮痛剤の中には、鎮痛成分のほかに眠気をもよおす成分が一緒に配合されたものがたくさんあります。眠気を感じずに勉強に集中したいとき、早く睡眠をとって回復に務めたいときなど、体調と目的に合った鎮痛剤を、薬剤師や登録販売者と相談して選びましょう。
ポイント2: 年齢に合った薬を選ぶこと
市販の鎮痛剤の中には、15歳未満の小児は使用できないものもあります。購入に迷ったときは、ドラッグストアの薬剤師・登録販売者に相談しましょう。
ポイント3: あまりに痛みがひどい場合は病院へ
生理痛があまりにひどい場合は、痛みの原因となる疾患が隠れていることも。生理痛がカラダの異常を知らせるシグナルになっている可能性もあります。鎮痛剤を飲んでも痛みが強い場合や、ひと月の半分以上鎮痛剤を飲む日がある場合は、早めに婦人科を受診してください。
鎮痛剤の使用について
鎮痛剤は用法・用量を守って使用すれば、クセになったり、効かなくなったりすることはないように作られています。使用が不安な際は、薬剤師や登録販売者へ相談してみてください。
受験と生理が重ならないようにしたいときはピルも選択肢のひとつに
ここまでさまざまな対策をご紹介してきましたが、そもそも大事な受験日と生理が重ならないように、低用量ピルを活用するのも選択肢のひとつ。生理痛やPMSを軽減し、受験シーズンの心強い味方になってくれます。
最初は、「薬で生理の予定を変えるなんて…」と不安になるかもしれません。しかし、医学的には初経を迎えてから3ヶ月を過ぎていれば、ピルを使用することは可能とされています。
低用量ピルを使うメリットは?
ピルは卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2つの女性ホルモンが配合された薬で、「低用量」という名前の通り、配合されたホルモンの量は微量です。ピルを使うことで、次のようなメリットがあるとされています。
- 生理時の経血量が減少する
- 生理痛が軽くなる
- 生理前のイライラや不安(PMS)がやわらぐ
- 生理日を移動できるので受験当日に生理の心配を減らせる
ここからは、受験期間中にピルの服用を考えるときに、気を付けておきたいポイントを紹介します。
受験期間中にピルの服用を考えるときに、気を付けておきたいポイント
ポイント1: 確実に受験と生理をずらすには、遅くとも「受験日前の生理中」に病院へ
受験日と生理をずらしたいのであれば、遅くとも「受験日前の生理中」にピルを飲み始められるように、婦人科を受診しましょう。細かいスケジュールや服用方法は医師に相談しましょう。
ポイント2: ピルに十分慣れるなら受験3ヶ月前には受診を
人によっては、飲み始めに胸のムカムカや頭痛、不正出血などが起きることもあります。
ほとんどは3ヶ月(3周期)以内に収まりますが、薬との相性もありますのでピルに慣れた状態で試験を迎えられるようにするには早めの受診を計画しましょう。
ポイント3: 初めてなら医師に相談できる病院へ
初めてピルの服用を検討する場合は、必ず医師に相談できる病院を受診しましょう。必要に応じて検査などを行い、薬の効果や副作用について医師との相談しながら服用を始めることが大切です。直接医師の診察がないオンライン処方の利用は、2回目以降が良いでしょう。
ピルについてのサポート
「ピルを使って生理日を動かす」と聞くと、抵抗感のある保護者の方もいらっしゃるかと思います。
「低用量ピル」は副作用を抑えるためにホルモンの量をできるだけ少なく抑えたお薬。最初は、胃のムカつきなどの副作用を感じることがありますが、多くの場合、数週間で慣れていくと言われています。
また、健康な10代であれば血栓症リスクはかなり低いことがわかっていますが、飲み始めて4ヶ月以内は血栓症に注意が必要です。そのため、初めてピルを使う場合は、オンライン処方サービスではなく、対面診療をしてもらえる病院へ行きましょう。事前にコレステロール値や既往歴なども含めてきちんと検査し、より安心して使用できるよう努めることが大切です。
ただし、受験と生理が重ならないようにするためには、遅くとも「受験日前の生理中」に医師に相談をし、ピルを処方してもらう必要があります。副作用に慣れることも含めると、できれば受験の3ヶ月前には婦人科を受診するのが理想です。本人と相談し、早めに準備をしておきましょう。
10代のカラダはどうしてもゆらぎやすいもの。自分のカラダとココロの波とうまく付き合うことで、当日もこれまで頑張ってきた実力を発揮しやすくなるはず。かんたんなことではありませんが、ぜひ少しずつでも取り組んでみてください。応援しています!
【監修者情報】
一般社団法人ラブテリ 奈良岡 佑南 博士(医学)
順天堂大学 産婦人科学講座 産婦人科専門医 山田 泰平
日本陸上競技連盟医事委員 薬剤師 砂本 沙織