医師・薬剤師に聞きました! 受験期にベストを引き出すための「生理対策」とは? 医師・薬剤師に聞きました! 受験期にベストを引き出すための「生理対策」とは?

大切な受験日は、コンディションを万全に整えて挑みたいもの。どんな状況でも安心して受験に挑めるよう、「普段からできる準備」「受験直前・当日の対策」を生理の専門家の先生に伺いました。

【監修者情報】

一般社団法人ラブテリ 奈良岡 佑南 博士(医学)

順天堂大学 産婦人科学講座 産婦人科専門医 山田 泰平

日本陸上競技連盟医事委員 薬剤師 砂本 沙織

生理痛や貧血、PMSのせいで、どうしてもイライラしたり集中力が落ちたりしてしまう日もありますよね。だからこそ、できれば生理と大切な受験日は重ならないでほしいものです。

高校3年生の女子生徒にアンケートをとったところ、

という結果に。多くの受験生が、生理と受験日について多くの不安を感じていることがわかりました。

※ユニ・チャーム「生理・PMSに関する母と娘の意識調査」2024年8月

普段からできる生理対策は?

まずは日常生活で取り入れられる、ココロとカラダそれぞれの不調を少しでも減らすためのヒントをまとめました。

生理前、勉強を邪魔する「イライラ」「集中力低下」などのココロの不調を軽くするにはどうしたらいいですか?

「普段気にならない小さなことにもイラっとしてしまう」「なんだか集中できない」「体がだるい」「たくさん寝たのにまだ眠い……」など、生理の3~10日前は、ココロの不調が起きやすくなると言われています。

これは女性の約8割が経験するともいわれる「PMS(月経前症候群)」の症状です。イライラ、頭痛、落ち込み、肌荒れ、便秘や下痢、むくみ、肩こり、やる気や集中力の低下、ぼーっとするなど、PMSのサインは人によってさまざまです。

PMSは生理周期におけるホルモンバランスの変化、またストレスも影響すると言われています。自分で取り組める、ココロの不調を軽くするコツを学んでいきましょう。

ズキズキする嫌な生理痛を少しでもやわらげる方法はありますか?

生理による痛みがあるとき、ひたすらガマンをしていませんか?普段と変わらず活動できる人もいれば、鎮痛薬を飲まなければ勉強に支障をきたすという人もいるなど、生理痛は個人差が大きいものです。特に思春期は、カラダで作り出される痛み物質が多く、生理痛が起こりやすいと言われています。

生理痛は、カラダが冷えて血管が収縮することで悪化を招くと言われています。痛みがひどい人は、まず食事内容や日々の過ごし方を工夫して、「冷え」対策を意識しましょう。

受験と生理が重なったらどうすればいい?

ベストな体調で本番に挑みたい受験当日。でも、生理が重なってしまった、どうしよう……。そんなときに備えて、受験直前によくある悩みや準備しておきたいことを覚えておきましょう。

試験のようなストレスがかかる場面では、急に生理が来てしまうことも。でも、大丈夫。まずは落ち着いて、試験会場で困らないよう一つずつ対策をしていきましょう。

痛みをやわらげる鎮痛剤とピルについて

鎮痛剤について

「痛み止めに頼りたくない」「飲みすぎるとクセになるのでは?」などの理由で鎮痛剤を使うことに不安を感じていませんか?

ドラッグストアに並んでいる市販の鎮痛剤は、毎月の生理のたびに飲んでも、用法用量を守っていれば効かなくなることはありません。

用法・用量を守り、痛みを感じたら早めに服用することを考えましょう。

痛みをガマンしても、いいことは何もありません。むしろ、痛みが気になって受験の集中力が落ちてしまうほうが心配です。ここからは受験に当たって、鎮痛剤を選ぶポイントを紹介します。

受験と生理が重ならないようにしたいときはピルも選択肢のひとつに

ここまでさまざまな対策をご紹介してきましたが、そもそも大事な受験日と生理が重ならないように、低用量ピルを活用するのも選択肢のひとつ。生理痛やPMSを軽減し、受験シーズンの心強い味方になってくれます。

最初は、「薬で生理の予定を変えるなんて…」と不安になるかもしれません。しかし、医学的には初経を迎えてから3ヶ月を過ぎていれば、ピルを使用することは可能とされています。

低用量ピルを使うメリットは?

ピルは卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2つの女性ホルモンが配合された薬で、「低用量」という名前の通り、配合されたホルモンの量は微量です。ピルを使うことで、次のようなメリットがあるとされています。

ここからは、受験期間中にピルの服用を考えるときに、気を付けておきたいポイントを紹介します。

10代のカラダはどうしてもゆらぎやすいもの。自分のカラダとココロの波とうまく付き合うことで、当日もこれまで頑張ってきた実力を発揮しやすくなるはず。かんたんなことではありませんが、ぜひ少しずつでも取り組んでみてください。応援しています!

【監修者情報】

一般社団法人ラブテリ 奈良岡 佑南 博士(医学)

順天堂大学 産婦人科学講座 産婦人科専門医 山田 泰平

日本陸上競技連盟医事委員 薬剤師 砂本 沙織